黒木渚さま
黒木渚さま
はじめまして、not_kanaといいます。
都内でDJ活動などをしています。
ファンレターを書こう書こうと気がつけば筆を取って4年の歳月が流れてしまいました。
ずっと伝えられたらいいのになと、ふつふつと考えながらやっと想いを伝えられそうな気がしてまたこうしてキーボードに向かっています。
さて、黒木渚さまに何を伝えようか迷ったのですが、わたしは黒木渚さまに勝手ながら自分を重ねています。まるで生き写しのような、そのような感情を抱いています。
高校生の時、ラジオにて黒木渚さまの「虎視眈々と淡々と」という曲を聞きました。力強い歌声に魅せられ、黒木渚さまについて、また楽曲について調べました。高校生ながら生きる意味やこの先の進路など迷ってた時に曲を聞いたものですからわたしは黒木渚さまを指標とした「強い女性」になろうと思いました。その後、短大に進学し、「強い女性」を追い求め奔走しました。
学生の身分であり、お金も少ないことからあまりライブには行けませんでしたが、2016年の国際フォーラムのライブにはお伺いしました。
国際フォーラムでは、最前列でライブを見て生で黒木渚さまの歌声を聞き、またサイン入りのタオルをいただき、今でも自室に大切にしまってあります。
ライブでさらに魅了されたわたしはもっともっと「強い女性」を追い求め奔走します。奔走した結果、別れた翌日に彼氏が自殺してしまったり、さまざまな人生のターニングポイントがありました。(余談ですが、亡くなってしまった彼氏と一緒に黒木渚さまのライブに行ってました。)
ずっとずっと憧れでした、形は違いますがDJという形で音楽活動を始め自分のキャラクターを「強い女性」として売り出し。少しずつですが大きな舞台にも立てるようになりました。咽頭ジストニアを黒木渚さまが患い、休止する中、わたしは黒木渚さまを指標とし「強い女性」を演じ続けました。
(このように書いていると些か、宗教じみているように思えますが、本当に憧れの人としてみています。)
演じ続けてはみたものの、わたしの本質は「臆病で、ひねくれもので、繊細な死にたがり」でした。「強い女性」を演じ続けながら、疲弊し、自分という人間がどんどん分からなくなっていき、自殺未遂をしてしまったりと、様々な人に迷惑をかけてしまいました。本質に気がつくまでに時間がかかってしまい、どこで演じることをやめてしまおうか、それとも作り出した偶像とともに死んでしまうか、迷っていました。
その際にリリースされた「檸檬の棘」というアルバム。MVを見たときにわたしは本当に泣いてしまいました。だって、「強い女性」を演じるのをやめていいと、本質に、本当の自分で、ありのままに生きていていいんだと思えたからです。「戦って戦って戦っていなくちゃ 抗ってるからこそ私だって言える」この歌詞に本当に救われました。わたしも戦ってたからです。「強い女性」を演じるがままに敵を増やし、あることないことを言われ、人生の淵に迷って死のうとしていたわたしを救ってくれました。
「自由になった心はどこへだってゆける」その歌詞に、わたしは演じることをやめました。演じることをやめてしまうこと、とても胸が張り裂けそうでした。今でも舞台に上がる時は、「強い女性」にチューニングをし少しだけ偽って舞台に上がっています。でも今は辞めてよかったと心から思います。
「強い女性」に憧れていましたが、それよりもっと大事なことに気がつけたような気がします。
本当に、本当にありがとうございます。
わたしという人間を救ってくれて本当にありがとうございます。
今では偽ることをやめ、ありのままに本心のままに生きています。黒木渚さまの話をすると「生き写しのようだね」と言われます。ファンでありながら、少し照れ臭くそうだな、と心から思います。
長文で乱雑な文書で本当に申し訳ありません、ただただ、救ってくれたあなたに感謝を言いたくて、それだけで書いています。
本当にありがとうございます。
季節の変わり目ですが、お体崩されぬよう、これからもずっとずっと応援しています。
いつかまた、ライブであなたに出会えることを信じて。
not_kana
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という長文ファンレターを認めましたとさ。